ロサンゼルスは広大で、観光スポットが散在しているというのはすでにお話しした通りです。公共交通機関を利用して観光するのもいいですが、レンタカーを借りて自分の運転で巡るのもアメリカを体感できるいい機会。とは言え、異国での運転には大きな不安が付きまとうのも事実で、ある程度の練習と慣れが必要となります。また、あらかじめ交通ルールを知っていることも円滑な運転には必要です。そこで、ロサンゼルスで運転するのに知っておきたいルールをご紹介します。

①右側通行

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 周知のとおり、アメリカは右側通行です。直線走行時は特に問題ありませんが、右左折の時や小さい道から大通りに出る時、あるいは駐車場から公道に出る時など、ちょっとした瞬間に自分がいるべき車線がどちらなのか混乱が生じます。また、ハンドルが左側にあることや、ウィンカーとワイパーの位置がハンドルを挟んで日本と逆なのも混乱の原因となります。なお、フリーウェイでは遅い車は一番右側の車線を走ります。これも日本と反対で、左は高速車用レーンとなります。

②赤信号での右折

 進行方向が赤信号の時、左右および周囲の安全がきちんと確認できていれば右折は可能です。その際、信号の手前で必ず一時停止をし、走行車や歩行者がいない状態を確認した上で右折してください。ただし「右折しなければならない」というルールではないので、右折のタイミングが取れなかったり自信がなかったりする場合には、無理せず青になるのを待ってください(後続車にクラクションを鳴らされても焦らないでください)。
 なお、下のようなサインがある場合は赤信号時の右折は禁止です。注意してこのサインの有無を確認してください。

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③左折専用車線

 大きめの道路や交通量が多い道路には、場所によって黄色の実線と点線で区切られた中央分離帯のような「左折専用車線」が設置されています。例えば、走行車線から左側にあるモールに入りたいとします。アメリカは日本と反対で、左折の時に対向車線を横切らなければならないため、その場で対向車が途切れるのを待つ必要があります。そうなると後続車による混雑が生じます。
 左折したい場合、左折専用車線がある時は一旦その中に入って停止します(この車線内で前進できるのは200フィート/約60メートルまでです)。そして対向車が切れたタイミングで左折してください。こうすることで後続車による渋滞も回避できます。
 ただし、対向車も左折時にはこの左折専用車線に入ってくるため、衝突などしないよう注意してください。

①走行車線にから左折専用車線に行ったん入る ②車線内では必ず停止。この車線内で前進できるのは200フィート/約60メートルまでです。 ③対向車が切れるのを待ち、タイミングを計って左折する ※この車線は一般の交通車線でも追い越し車線でもありません。

①走行車線にから左折専用車線に行ったん入る
②車線内では必ず停止。この車線内で前進できるのは200フィート/約60メートルまでです。
③対向車が切れるのを待ち、タイミングを計って左折する
※この車線は一般の交通車線でも追い越し車線でもありません。

左折専用車線に入った時。前述の通り車線内に入ったら走行してはいけないため(前進できるのは200フィートまで)、左折しやすい位置で停まれるよう気をつけてください。

左折専用車線に入った時。前述の通り車線内に入ったら走行してはいけないため(前進できるのは200フィートまで)、左折しやすい位置で停まれるよう気をつけてください。

左折専用車線で左折を待っている対向車。この時自分も左折専用車線に入りたいのであれば、互いの邪魔にならないようにこの車の前か後ろに入って停車します。

左折専用車線で左折を待っている対向車。この時自分も左折専用車線に入りたいのであれば、互いの邪魔にならないようにこの車の前か後ろに入って停車します。

 なお、道路ぎわの駐車場やモールなどから左折で走行車線に入りたい場合も、一旦左折専用車線に入って停止し、車が切れたタイミングで走行車線に入ってください。

①左からの車に気を付けて、左折専用車線に一旦入る ②進行方向に車を向けて停止。走行してはいけません(前進できるのは200フィートまで) ③安全を確認したら円滑に走行レーンに入る

①左からの車に気を付けて、左折専用車線に一旦入る
②進行方向に車を向けて停止。走行してはいけません(前進できるのは200フィートまで)
③安全を確認したら円滑に走行レーンに入る

④ストップサイン(一旦停止)

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 アメリカにはよく「STOP」と書かれた標識があります。これは「一旦停止」のサインで、完全に「止まれ/停止」(STOP)しなければならないことを意味します。日本では一旦停止するドライバーはとても少ないですが、アメリカではほぼ全員のドライバーがこのルールを守ります。サインがある場合は必ず一旦停止してください。停止の際は、白い停止線(道路にペイントされている太い白線)か横断歩道に進入する前に止まります。道路に停止線または横断歩道がペイントされていない場合は、交差点に進入する前に停止してください。停止後に進む際は全方向の通行を確認してから進みます。

なお、ストップサインには次の2種類あります。

・All Way Stop(4 Way Stop)
 自分が走る車線、対向車線および左右からの交差車線の4線全ての車に一旦停止を義務付けるサインです。交差点内に進入する(走り始める)順番はストップサインで停車した順となりますので、自分が何番目に停まったのかを把握しておいてください。それが分からない場合や同じタイミングで停車した車があった場合は、自分の右側の車を優先させてください。

・Two Way Stop
 自分が走る車線と対向車線にだけに一旦停止を義務付けるサインです。左右から来る車(交差車線の車)にはその義務はありませんので、交差車線の車が途切れた時に交差点に進入してください。走り出す順番は、上と同じく一旦停止した順となります。

⑤踏み切り

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 踏み切りを渡る場合、日本ではその手前で一旦停止しなければなりません。しかしアメリカでは、バスやトラックなどの大型車両を除いて一旦停止をする必要はありません。日本人はどうしても踏み切り前で一旦停止をしてしまいがちなのですが、後続車は前の車が停止するとは思っていないため追突事故につながる可能性があります。義務付けられていない一旦停止は場合によってはとても危険。注意してください。

【注意】
・逆にバスやスクールバス、危険物輸送トラックなどは線路を横断する前に停止しなければなりませんので、こうした車両の後ろを走っている場合は、それらの車両が自分の前で一旦停止することを知ったうえで運転してください。

・決して線路上で停止してはいけません。そのため、踏切の向こう側で渋滞が発生しているなど渡り切れない場合は、完全に線路を渡り切れることが確認できるまで線路の手前で待ってください。この時、車両が線路にかかっていないことを確認してください。

交通ルール②に続く